特定健診・特定保健指導って何?

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管理栄養士のりーです。

 

特定保健指導に呼ばれちゃったけど、いったいこれって何?

特定健診と普通の健康診断って何が違うの?

そもそも特定って何?

などと質問されることが多々あります。

 

簡単に言うと健診を受けて結果を振り返り、健康になりましょう!ということなのですが、これだとイメージ通りですよね?

 

そんなことは分かっているー!

と声が聞こえてきそうなので、今回は特定健診・特定保健指導の基礎について紹介していきます。

 

特定健診・特定保健指導

そもそも「 特定健診・特定保健指導 」とは何なのでしょうか?

まずは厚生労働省のホームページの内容を確認しておきましょう。

特定健診とは

日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診を行います。

 

特定保健指導とは

特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします。

と明示されています。

 

これだけで理解できる人は良いのですが、少し深堀してみたいと思います。

 

さらに詳しく

加入している健康保険組合や年齢、被扶養者など、年に1回の健康診断の検査項目は人によってそれぞれですが、特定健診の対象年齢は40~74歳と決まっています。

 

以下、具体的にどのような健診を受けているのかを確認していきましょう。

 

⓵協会けんぽ加入の会社員の方で一定条件を満たした方

年1回の定期健診として診察や尿、血液を採取しての検査、胸や胃のレントゲン検査など約30項目の全般的な検査を行います。

 

これらの項目のうちの一部が特定健康診査の項目となります。

 

つまり、『体を全体的にチェックします!その中にメタボかどうか調べる項目があります。』ということです。

 

一般健診の対象者は、当該年度において35歳~74歳の方ですが、そのうち40歳~74歳の方が、検査結果によって特定保健指導の対象者となります。

 

 

②被扶養者(任意継続被保険者のご家族の方を含む)の方

特定健康診査という名目で受診となります。

 

検査項目は特定健診で定められた項目のみです。

 

つまり、『メタボかどうかだけ調べます。』ということです。

被扶養者等の方は40~74歳までの方のみが対象です。

 

特定健診の具体的な検査項目

診察等
視診、触診、聴打診などを行います。
問診
現在の健康状態や生活習慣(飲酒、喫煙の習慣など)を伺い、検査の参考にします。
身体計測
身長、体重、腹囲を測り、肥満度の指標であるBMIも計算します。
血圧測定
血圧を測り、循環器系の状態を調べます。
血中脂質検査
動脈硬化などの原因となる中性脂肪やHDLコレステロール、LDLコレステロールを測定します。
肝機能検査
肝細胞の酵素を測定し、肝機能などの状態を調べます。
血糖検査
空腹時血糖またはHbA1c、随時血糖を測定し、糖尿病などを調べます。
(随時血糖を測定する場合は、食事開始後3.5時間以上経過していること)
尿検査
腎臓、尿路の状態や糖尿病などを調べます。
たくさんありますが、これらで体全体をスクリーニングしていることになります。

特定保健指導の判定基準

この項目は非常にややこしいので、細かいところは気にしない!という方は「まとめ」のところまで読み飛ばしてください。
特に重要なのはステップ1~3までなので、ステップ4は理解できなくてもあまり気にしなくても良いと思います。

ステップ1

○ 腹囲と BMI で内臓脂肪蓄積のリスクを判定する
・腹囲 M≧85cm、F≧90cm →(1)
・腹囲 M<85cm、F<90cm かつ BMI≧25 →(2)

 

ステップ2

○ 検査結果、質問票より追加リスクをカウントする。
○ ①~③は内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の判定項目、④はその他の
関連リスクとし、④喫煙歴については①から③のリスクが1つ以上場合にのみをカウ
ントする。

①血糖

a 空腹時血糖 100mg/dl 以上

b HbA1cの場合 5.2% 以上

c 薬剤治療を受けている場合(質問票より)

②脂質

a 中性脂肪 150mg/dl 以上

b HDL コレステロール 40mg/dl 未満

c 薬剤治療を受けている場合(質問票より)

③血圧

a 収縮期 130mmHg 以上

b 拡張期 85mmHg 以上

c 薬剤治療を受けている場合(質問票より)

④質問票

喫煙歴あり

血糖値についての注意事項

血糖検査については、HbA1c 検査は、過去1~3か月の血糖値を反映した血糖値のコントロールの指標であるため、保健指導を行う上で有効であるとともに、絶食による健診受診を受診者に対して、事前に通知していたとしても、食事を摂取した上で健診を受診することにより、必ずしも空腹時における採血が行えないことから、空腹時血糖と HbA1c 検査の両者を実施することが望ましいが、空腹時血糖と HbA1c の両方を測定している場合には、メタボリックシンドロームの診断基準として用いられている空腹時血糖を使用する。

 

ステップ3

ステップ1、2から保健指導レベルをグループ分け

ステップ1が(1)の場合

ステップ2の①~④のリスクのうち
追加リスクが

2以上の対象者は 積極的支援レベル
1の対象者は 動機づけ支援レベル
0の対象者は 情報提供レベル とする。

ステップ1が(2)の場合

ステップ2の①~④のリスクのうち
追加リスクが

3以上の対象者は 積極的支援レベル
1又は2の対象者は 動機づけ支援レベル
0の対象者は 情報提供レベル とする。

ステップ4

○ 前期高齢者(65歳以上75歳未満)については、①予防効果が多く期待できる65歳までに、特定保健指導が既に行われてきていると考えられること、②日常生活動作能力、運動機能等を踏まえ、QOL(Quality of Life)の低下に配慮した生活習慣の改善が重要であること等の理由から、積極的支援の対象となった場合でも動機づけ支援とする。

○ 血圧降下剤等を服薬中の者(質問票等において把握)については、継続的に医療機関を受診しており、栄養、運動等を含めた必要な保健指導については、医療機関において継続的な医学的管理の一環として行われることが適当であるため、医療保険者による特定保健指導の対象としない。
○ 市町村の一般衛生部門においては、主治医の依頼又は、了解の下に、医療保険者と連携し、健診データ・レセプトデータ等に基づき、必要に応じて、服薬中の者に対する保健指導等を行うべきである。

 

○ 医療機関においては、生活習慣病指導管理料、管理栄養士による外来栄養食事指導料、集団栄養食事指導料等を活用することが望ましい。なお、特定保健指導とは別に、医療保険者が、生活習慣病の有病者・予備群を減少させるために、必要と判断した場合には、主治医の依頼又は了解の下に、保健指導等を行うことができる。

 

 

 

ぎゃー!文字が多すぎるー!

 

 

 

一言でいうと

文章で見るとかなり複雑ですね。

つまり『お腹が出てるか体格が大きくて血液検査の結果がイマイチ。タバコもリスクの一つですね。でもまだ治療を受けていない人は対象ですよ。』ということです。

 

 

 

最後に

細かいところまで全部理解するのはとても大変ですね。

 

ただ、ざっくりどんなものなのか?というのがお分かりいただければ嬉しいです。

まずは仕組みを理解したうえで、どのように改善していけば良いかを一緒に考えていきましょう!

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